旅客営業制度において、区間変更は難解で複雑です。
中でも、私が一番難解であると考えているのは「旅客連絡運輸規則第92条の3(連絡運輸区域を越える通過連絡運輸にかかわる特例)」です。
条見出しの時点でもう複雑さを隠せていません。特例はたいていロクでもない。
今回は、私の勉強として同規定の区間変更を学ぶにあたり、せっかくなので記事として残そうと思います。
注意ですが、この記事は私が単に読み、勝手に解釈し、勝手に例を作って理解しているだけなので、解説記事ではありません。
(ほかの方の解説ページを見つけましたので、解説をご希望の方はそちらをご参照ください。)
〇条文
(連絡運輸区域を越える通過連絡運輸にかかわる特例)
第92条の3 旅客が旅行開始後又は使用開始後に連絡会社線を通過し、前後の旅客会社線にまたがって乗車船する乗車変更の請求をした場合であって、非変更区間と変更区間を通じた区間が、第1条第2項に規定する区間を越えるときは、次の各号により取り扱うものとする。
⑴ 原乗車券が、第43条の規定を適用したものである場合
変更の請求をした区間について、別途乗車としてその区間に対する片道普通旅客運賃を収受する。
⑵ 前号以外の場合
非変更区間と変更区間を通じた全乗車船区間について第43条の規定を適用しないものとし、区間変更として前後の旅客会社線区間ごとに算出した普通旅客運賃と連絡会社線の普通旅客運賃とを合算した額からすでに収受した旅客運賃を差し引いた額を収受するものとする。ただし、原乗車券が、旅客会社線内相互発着のものであって、営業キロが100キロメートルを超えるもの(東京、大阪、福岡、新潟又は仙台付近旅客会社線大都市近郊区間内相互発着となる場合を除く。)である場合は、原乗車券の着駅から接続駅までの旅客会社線の普通旅客運賃、連絡会社線の普通旅客運賃及び接続駅から着駅までの旅客会社線の普通旅客運賃とを合算した額を収受するものとする。
2 旅客が旅行開始後又は使用開始後に旅客会社線を通過し、前後のしなの鉄道株式会社線にまたがって乗車する乗車変更の請求をした場合であって、非変更区間と変更区間を通じた区間が、第1条第2項に規定する区間を越えるときは、次の各号により取り扱うものとする。
⑴ 原乗車券が、第43条の規定を適用したものである場合
変更の請求をした区間について、別途乗車としてその区間に対する片道普通旅客運賃を収受する。
⑵ 前号以外の場合
非変更区間と変更区間を通じた全乗車区間について第43条の規定を適用しないものとし、区間変更として前後のしなの鉄道株式会社線区間ごとに算出した普通旅客運賃と旅客会社線の普通旅客運賃とを合算した額からすでに収受した旅客運賃を差し引いた額を収受するものとする。
https://www.jreast.co.jp/kippu/yakkan/pdf/transportation.pdf
何を言っているのかさっぱりわかりません。
まずは、条文内で条文を参照して表されている語句の意義について整理します。
「第1条第2項に規定する区間」→連絡運輸範囲(連絡規則での用法にかかわらず、本記事ではこのように称します。)
「第43条の規定を適用したもの(乗車券)」→通過連絡運輸となっている乗車券
ですね。
焦らず、まずは第1項本文の規定をじっくりと読んでみます。
旅客が旅行開始後又は使用開始後に連絡会社線を通過し、前後の旅客会社線にまたがって乗車船する乗車変更の請求をした場合であって、非変更区間と変更区間を通じた区間が、第1条第2項に規定する区間を越えるときは、次の各号により取り扱うものとする。
ここでは、旅客がすでに使用開始している乗車券について、区間変更によりその変更区間が新たに通過連絡運輸となる場合で、その結果、原券区間と変更区間を通じた区間が連絡運輸範囲を超える場合の取扱いは、次に定められる各号の規定によるということを規定しているようです。前提が押さえられましたので、続いて第1号を読んでいきます。
⑴ 原乗車券が、第43条の規定を適用したものである場合
変更の請求をした区間について、別途乗車としてその区間に対する片道普通旅客運賃を収受する。
原券が通過連絡運輸の乗車券である場合は、無条件で変更区間を別途乗車とするようです。
一般の区間変更においては変更区間の運賃を追収受して原券からの区間変更券(有効日数や途中下車可否、異常時取扱い等において有利)となったり、不乗区間と変更区間の運賃を比較したりするものですが、なんとこの場合においては完全に別の運送契約となる別途乗車とするようです。
理解のため例で考えてみることにします。
使用開始後の片道乗車券「氷見→松本(経由:氷見線・高岡・あいの風とやま・富山・北陸新幹線・糸魚川・大糸)」を所持する旅客が、糸魚川駅において東三条駅まで(経由:北陸新幹線・上越妙高・トキめき・直江津・信越)の方向変更を申し出た場合

<原券>
氷見→松本(経由:氷見線・高岡・あいの風とやま・富山・北陸新幹線・糸魚川・大糸)
片道普通旅客運賃:4110円
<変更区間>
糸魚川→東三条(経由:北陸新幹線・上越妙高・トキめき・直江津・信越)
片道普通旅客運賃:2650円
<不乗区間>
糸魚川→松本(経由:大糸)
片道普通旅客運賃:1980円
<通過連絡運輸範囲>
あいの風とやま鉄道線高岡・富山間を経由して、北海道会社線各駅、東日本会社線各駅、東海会社線各駅、西日本会社線各駅と城端線各駅、氷見線各駅相互間
ーーー
通常であれば糸魚川・松本間の運賃と糸魚川・東三条間の運賃を比較して不足額収受となるところ、本例の原券は通過連絡運輸で、さらに原券区間と変更区間を通じた区間が連絡運輸範囲を超えてしまう(あいの風を通過後にトキめきを通過するの連絡運輸は設定がない)ため、変更変更区間を別途乗車として片道普通旅客運賃を収受することとなります。
よって、糸魚川・東三条間の片道普通旅客運賃2650円を収受し、別途乗車のため、新たに片道乗車券を発売することとなると思います。
(不乗区間は100kmを越えているため、旅行中止として払い戻しを別途請求することが可能かと思います)
もうこの時点で難しすぎる。
ここで、原券に割引が適用されている場合の取扱いが記載されていないことに気が付きました。どうするのだろうと思いましたが、変更区間について別途乗車とすると記載されているため、新たな運送契約において同じ割引を適用することができれば問題なさそうです。
ともあれ、一律に別途乗車となることを考えると不利となることがとても多そうです。
続いて、明らかに複雑な見た目をしている第2号へと進みます。
⑵ 前号以外の場合
非変更区間と変更区間を通じた全乗車船区間について第43条の規定を適用しないものとし、区間変更として前後の旅客会社線区間ごとに算出した普通旅客運賃と連絡会社線の普通旅客運賃とを合算した額からすでに収受した旅客運賃を差し引いた額を収受するものとする。ただし、原乗車券が、旅客会社線内相互発着のものであって、営業キロが100キロメートルを超えるもの(東京、大阪、福岡、新潟又は仙台付近旅客会社線大都市近郊区間内相互発着となる場合を除く。)である場合は、原乗車券の着駅から接続駅までの旅客会社線の普通旅客運賃、連絡会社線の普通旅客運賃及び接続駅から着駅までの旅客会社線の普通旅客運賃とを合算した額を収受するものとする。
長くて読む気が失せてきました。意気消沈せず、食らいついていきます。
原券が通過連絡運輸適用でない乗車券の場合は、一律でこの規定により扱うようです。
とりあえず、中盤から書いてある但し書きを無視して柱書を読んでみます。
どうやら、非変更区間と変更区間を通じた全乗車船区間について通過連絡運輸を一切適用せず、前後の旅客会社線区間の運賃各々と連絡会社線の運賃の運賃を合算して、原券金額を差し引いた額を収受するようです。(記載されていませんが、おそらく過剰額の払戻しはしないでしょう。)
但し書きに移ります。
但し書きでは、原券が旅客会社線相互発着で、営業キロが100km以上でかつ大都市近郊区間相互発着でない場合は原券の着駅から1つ目の接続駅までの運賃、連絡会社線の運賃、2つ目の接続駅から着駅までの運賃を合算した額を収受するようです。
ここで、この規定の不備に気が付いてしまいました。おそらくこの条文は乗越しの場合しか想定しておらず、方向変更・経路変更について想定していないのです。
論理的に考えておかしいです。「原乗車券の着駅から接続駅までの旅客会社線の普通旅客運賃」は場合によってはとてつもなく高額になってしまうのではないでしょうか。
今回私は、この規定は乗越しのみに対するものであって、「方向変更・経路変更については規定していない」と解釈することにします。
では例とともに理解を深めることにします。
まずは柱書(但し書きの対象以外の原券で変更を行う)の場合
続いて、但し書きの場合(乗越し)についても考えてみます。
やっと第1項を理解し終えました。
続いて第2項…といきたいところですが、これは第1項を理解できていればJRと社線の関係をしなの鉄道とJRに置き換えれば簡単に理解ができました。
ご覧になっている皆さんも、ここまでの話が理解できていればわかると思います。
記事としては無責任かもしれませんが、疲れたのでこのあたりで締めようと思います。(本当にキツイ)
では、ご覧いただきありがとうございました。
なお、今回は「私が読む」という内容でしたので、あてにしないで下さい。
他の方の解説ページを見つけたので、解説が欲しい方はそちらをご参照ください。